ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「そういえばさぁ…」
由紀ちゃんは、頬杖をつきながら話す。
「苺、クリスマスどうすんの?」
そっか…もうクリスマスなんだ。
「特に予定ないかも。由紀ちゃん遊ぶ?」
あたしが苦笑しながら言うと、
「あー…」
返事に困る由紀ちゃん。
…そっか♪
「川原くんとデートだったね♪ごめんごめん♪」
「ちょ…っ!!」
ガタンッと音を立てて、由紀ちゃんは立ち上がった。
その時、教室に居た川原くんと目が合ったのか…顔を赤くして、また座った。
少し男勝りな由紀ちゃんが、顔を赤く染めているのは、とても可愛らしくて…
恋する女の子の顔になってた。
「何?」
「由紀ちゃん怒るから言わないっ♪」
「苺ーっ!」
「ノロケ聞かせてねっ♪」
「もぉっ!」
ますます由紀ちゃんは、赤くなった。
「…苺は?」
「えっ?」
「王子と進展は…?」
お返しとばかりに、声を小さくして聞いて来た。
由紀ちゃんには、藤堂先輩とのことを話してないし、クラスも違うから、あたしと西藤くんが話してないことも知らない。
「特に進展なく…普通」
あたしは何となく笑ってみせた。