ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「えっ?何で」
「苺ちん、次移動だよ?」
話の途中で、メグちゃんがやって来た。
時計を見ると、授業5分前になろうとしていた。
「メグちゃんありがとう。由紀ちゃん…ごめんねっ」
「ううん、わたしも教室戻らなきゃ」
あたし達は立ち上がって、それぞれ移動した。
由紀ちゃんとメグちゃんは、あれから話をしようとしない…。
板挟みみたいで気まずいんだけど、あたしにはどうしようも出来なかった。
「ねぇ、メグちゃんはクリスマス予定ある?」
廊下を歩きながら、あたしはメグちゃんに聞いてみた。
「クリスマスぅ?んーとね、とりあえず同中の男子と遊ぶぅ♪」
「えっ、彼氏っ?」
「まっさかぁ〜。メグが好きなのは、西藤くんだけ♪」
「あはは…」
最後の言葉は、軽く流す。
メグちゃんは女の子の友達より、男の子の友達の方が、圧倒的に多い子。
あたしとは全然タイプが違うから、こうやって仲良くしているのが、今でもたまに不思議。
「苺ちんは予定ないのぉ?」
「うん」
「じゃあ、一緒に遊ぶ?」
「いやっいいよっ、ありがとうっ」
「そぉ?苺ちんなら、みんなに好かれると思うんだけどなぁ…」
誘ってくれるのは嬉しいけど、メグちゃんの男友達は、何というか…ギャル男とか、怖っぽい人が多いから。