ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

〜♪

あたしは鳴り続ける携帯を持って、リビングを急いで出る。

「ふう」

1回深呼吸してから、ボタンをカチッと押した。

「…もしもし?」

あたしは探るように言う。

『津田?』

声を聞いた瞬間、心臓がドキッとした。

「うっ、うん。どうしたの?」

頑張って冷静を装うけど…声が震える。

『今から…会える?』
「えっ!?」
『ごめん、夜だし無理だよな』
「…」

時計を見ると、22時になろうとしていた。

こんな時間に出掛けるのは…さすがに、お母さんに怒られちゃうかな…。

『いきなりごめんな。じゃあ…』
「待って!会えるっ!」

怒られてもいい。
今日、どうしても会いたい…。

『マジで?』
「うん」
『じゃあどうしようか…。俺、津田の家わかんねぇし…』
「西藤くん今どこ?」
『学校近く』

学校…近くにコンビニもない。

「あ、学校の少し行った所に公園あるの知ってる?」
『…あぁ、わかる。そこでいい?』
「うんっ」

『津田…』
「うん?」

優しく名前を呼ばれると、キュンとして切なくなる。

『ありがとな』
「うんっ。じゃあ急いで行くからっ!」
『気をつけて』

あたしは電話を切った。


胸が締め付けられるように、ドキドキして…苦しい。

だけど、本当に嬉しい。
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