ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
外はお母さんの言う通り、雪が降っていた。
でも、いつかの授業中にメグちゃんと見た、大きな雪の粒ではなくて…
本当にちらちらと降る、小さな雪の粒−…。
それでも、黒いコンクリートの地面は、まるで粉砂糖をかけられたみたいに、白くなっている。
あたしはそんな地面に、足跡をつけながら走った。
スカートを、ひらひら揺らしながら走る。
髪…ちゃんと乾かせば良かったな…。
お風呂に入って、適当に乾かしてしまったから、まだ濡れてて…かなり冷たい。
西藤くん、どうしたんだろう…。
なんて、考えてみるけど、本当は分かってる。
用件は二択のうちの、1つだと思う。
告白…されるか…
きっぱりフラれるか…
クリスマスに呼び出しだもん。
前者だと…前者であってほしいと願う。
だけど、やっぱり藤堂先輩に、勝てる気はしないんだ。
綺麗じゃないし…
頭悪いし…
運動音痴だし…
ちっちゃいから−…。
でも、もう引き返すことは出来ない。
あたしは事実を受け入れるから。
息が切れる。
怖いけど、苦しいけど、
早く会いたいの…。