ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


静かな公園。
静かに降る雪−…。

様々な色だった遊具も、今は白に染まっている。

かなり寒くて、津田は大丈夫だろうかと、不安になる。
やっぱり、呼び出すべきじゃなかったかもしれない…。

でも、そんなことまで考える余裕はなく、気が付いたら電話していて、「会いたい」と、言っていた。

俺はベンチに少し積もった雪を、手で払い落として座った。


緊張しているのだろうか…。
胸に違和感を感じる。


津田に告白されてから…
もう10か月も過ぎてしまった。

津田のことが好きだと気付いたのに、気持ちを伝えることが出来なくて…

やっと…やっと、今日伝えることが出来る。


津田はどんな顔をするだろうか…。
喜んでくれるかな…。

頭に浮かぶのは、津田の笑顔。

あの笑顔が見たくて…

今ここに居る。


タッタッタ…

しばらくして、足音が聞こえた。
だんだん大きくなる軽い足音は、誰のものだか、すぐに分かった。

「…津田」

小さな、その愛おしい姿は、雪の中を現れた。
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