ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


「好きだ」

西藤くんの腕の中で、西藤くんの言葉で、
あたしは息が、止まってしまいそうになった。

心臓は破裂しそうなくらい、バクバクしてて…

“好きだ”って言葉を、何度も何度も頭の中で繰り返す。

それでも、状況についていけないあたしの頭。

「津田…」

名前を呼ばれて、体がビクッて反応した。

「遅くなってごめん。ずっと前から好きだったのに…言えなかった」

あたしは西藤くんの言葉を、頭の中で繰り返して、ゆっくりと頷く。

すると、ぎゅうってあたしを抱きしめる力が、強くなった。


「本当に津田が好きだから

    付き合って欲しい」


涙が…零れ落ちた。

だって夢じゃない。

すごく寒いはずなのに、

西藤くんの腕の中は温かくて…
西藤くんの腕の力を感じて…
西藤くんの匂いに包まれてる…。


だから夢じゃない。

これは現実…夢のような現実。


「ふぇ……っ」

あたしは少し、声を出して泣いた。

言葉では言い表せないくらい、嬉しくて…言葉の代わりに、涙が溢れて止まらない。
< 212 / 494 >

この作品をシェア

pagetop