ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「返事…聞かせて?」
泣きじゃくるあたしに、優しく西藤くんが問う。
返事…
もう我慢しなくていいんだ…。
ドキン…ドキン…
あたしはそっと自分の手を、西藤くんの背中に回して、
ぎゅっと抱きしめ返した。
「…好き。ずっとずっと西藤くんのことが好きでっ…。すごく嬉しい。
でも…
あたしなんかでいいの…?」
たった一つの不安をぶつける。
すると、西藤くんはほんの少し、体を離した。
「津田…」
近くに居すぎて、背の高い西藤くんの顔を見るのは、小さなあたしにとっては、少し大変。
だけど…
西藤くんは優しい笑顔で、あたしを見てた。
その笑顔に、胸がきゅんって苦しくなる。
「津田が好きだから、津田がいい」
優しく頭を撫でられて、そっと西藤くんの顔が近づいた。
あたしはゆっくりと目を閉じる…。
西藤くんの唇が、あたしの唇にそっと軽く触れた…。
冷たい西藤くんの唇…。
なんだか、くすぐったい気持ちになった…。
目をゆっくり開けると、そこにあったのは、やっぱり笑顔。
また涙が溢れてきた。
この涙はきっと、今までの辛いことを、全て流して幸せに変える。
「ありがとうっ…」
あたしは西藤くんに、力いっぱい抱きついた。