ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

あたしは、しばらく泣いてしまって…その間ずっと、西藤くんはあたしを抱きしめて、頭を撫でてくれた。

そして、あたしが落ち着いてから、家まで送ると言ってくれて…

一緒に帰ったんだ。

手を繋いで−…。


特に会話はなかった。
だけど、すごく幸せで…。

雪は、まるで祝福してくれているかのように、優しく降り続けて、

「綺麗だね」

って、微笑み合った。



次の日、あたしはきちんと髪を乾かしてなかったせいか、案の定風邪をひいてしまった。

お母さんには怒られるし、体はすごく辛かったけど、大好きな人から届くメールは…心を暖かくしてくれた。

「んふふっ♪」

布団の中から、携帯を開いては笑うあたしは、さぞかし不気味だろう。

でも、嬉しいから笑いだって出ちゃう。

だって、

やっと…好きな人と想いが通じて

“彼女”に、なれたんだから−…。


12月24日…クリスマスイヴ。

この日、サンタさんはあたしに、一生で1番のプレゼントをくれた。


あたしが残しておいたケーキのイチゴは、今まで食べたどのイチゴよりも、


甘かったよ−…。
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