ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

報告。

☆裕也side☆


新年初めての学校。

俺はいつもと同じく家を出て、自転車で学校へ向かおうとしていた。

「明けましておめでとう」

後ろから声がして、振り返ると麗奈が立っていた。

「おめでとう」

年が明けて麗奈に会ったのは、今日が初めて。
…と、言うか、あのクリスマス以来、会ってなかった。
麗奈は冬休み中、母親の所に行っていたらしい。

「途中まで一緒に行かない?」
「あぁ」

俺は自転車を押して、麗奈と並んで歩く。

「1月中の学校終わったら、もうお母さんの所に、住むことになったから」
「そっか」
「…なんか返事が素っ気ないよ?頭の中は、彼女だらけですか?

麗奈は笑ってからかう。

「ちげーよ」

口ではそう言いながら、内心は当たっていた。

冬休み…何かと忙しくて、全然会えなかったから。

「上手くいったんでしょう?」

そういえば、麗奈にちゃんと報告していない。

「あぁ。…ありがとう」
「どういたしまして♪」

麗奈の笑顔は、何か吹っ切れたような笑顔だった。

明人さんに言ったのだろうか…。
気にならないと言ったら、嘘になるけど、わざわざ聞こうとは思わなかった。

俺に言えることは言ったから、後は麗奈が後悔さえしなければ、それでいい。
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