ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「「………」」

あたしと西藤くんは、教室に入るなり、固まってしまった。

だって…あたし達が入ったとたん、教室に居るみんながこっちを見て、黙り込んだから。

ひそひそと、「えっ、マジで付き合ってんの?」とか、聞こえる。

案の定…ばれてる…。

でも、どうしてこんなに早く…?
考える間もなく、犯人は自ら名乗り出た。

「ほらぁ♪ね、メグの言った通りでしょお?」
「メグちゃんっ!?」

あたしは思わず、大きな声を上げる。
だって…メグちゃんには、まだ言ってなかったのに。

「ど、どうしてっ?」
「苺ちん、メグの情報収集力をなめちゃダメだよぉ♪」

メグちゃんはあたしの鼻を、人差し指でぷにっと押した。そして、
「西藤くん、苺ちんと付き合ってるんだよねぇ?」

今度は西藤くんに質問。

西藤くんはひと間置いて、ポンッとあたしの頭の上に、手を置いて、

「あぁ…ってなわけでよろしく」

教室のみんなに向かって言った。

恥ずかしいけど…嬉しい。


西藤くんが言った後、教室の中はもう無法地帯。

「いつから付き合ってんのっ!?」

とか、

「どっちが告ったのっ!?」

とか、質問攻め。

「あははは…」

もう笑ってごまかすしかない。

「苺っ」

不意に呼ばれた方を見ると、由紀ちゃんがクラスのみんなを掻き分けて、やって来た。
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