ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「…うざい」

ポツリと、メグちゃんが呟いた。

「えっ?」

あたしに対して言ったのかと思って、心臓がドキッてなる。

だけど、メグちゃんはそのまま廊下へ出て行く…そして、

「うざいんですけどぉ〜。人の教室の前に集まるの、止めてくれませんかぁ〜?」

沢山の女子を、目の前に言った。

一瞬し…んと静まりかえったけど、すぐに「はぁ?!」と、メグちゃんに負けず劣らず、ギャル系の女子が前に出る。

「自分達がモテないからって、苺ちんをひがむの、止めてくださぁい」
「…っ!!」

女子がメグちゃんに、掴みかかろうとして、

「メグちゃん!」

あたしは慌てて席を立って、廊下へ出ようとした…その時、

「間さんの言う通りだよ」

後ろから声がして、振り返ると…クラスの友達。

「あんた達、苺ちゃんの気持ち、考えたことあるの?」
「そうだよ、苺ちゃんの方がよっぽどお似合い!」

クラスの友達が、あたしを庇ってくれてる…。

まるでドラマのようなシーンに、あたしの胸はきゅうっと苦しくなって、涙が浮いてきて俯いた。

「ほらっ、さっさと失せなっ!」

いつもは、ぶりっ子的な喋り方のメグちゃんだけど、こういう時は違うみたい。
さすが、恐そうな男子といつも絡んでるだけあって、結構な迫力だった。

メグちゃんが恐かったのか、あたしの涙が効いたのか…どちらか分からないけど、
みんなざわざわしながらも、素直に帰って行く。
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