ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

友達と別れて、ある“場所”へ向かおうとする自分に、自分で言い訳をする。

ただ、帰る方向なだけ…。

通り道だから、ちょっと確認するだけだ…。


間は確かに容姿で言えば、可愛い方。

だけど、性格はワガママで、俺の都合なんか、一度も聞いてくれない自己中女。

気が強くてうるさくて、たまに頭が痛くなることだってある。

だから、あまり得意じゃない。
はっきり言えば苦手だ。


なのに、

こうして、待ち合わせの駅に来てしまったのは、

“卒業”が見せる、幻想からだろうか…。


もし、間が待っていたら−…。


暗くなった辺りを、静かに見渡す。

日曜ということもあって人は多く、同い年くらいの女の子も沢山居る。

だけど、間の姿はなかった。

当たり前だ。
約束したのは朝の10時で、今はもう夕方の6時前なのだから。

待たれていても困る。
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