ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

不器用な恋し方。

-side メグ-


カシャッ、カシャッ…

いくつも重なるシャッター音。

堅苦しい式を終え、教室での別れの挨拶を済ませ、解放された生徒達は、

笑顔…泣き顔…それぞれの気持ちを、決して忘れない様にとフィルムに残す。


みんな必死で写真を撮るのは、

手を掴み合って涙ながらに話すのは、

今日は“卒業”という、一つの大きな節目だから−…。


自分…間 メグミもその一人で、友達と“笑顔”で、思い出を残していた。


カシャッ

優しくて可愛いらしい苺ちん、ボーイッシュでしっかり者の由紀ちん、高校で出来た二人の親友は宝物。

そんな二人との写真を沢山撮り終えると、メグは気付かれないように、そっと時計を確認する。

そろそろ…行かなくちゃ…。

一枚、また一枚と写真を撮る度に、メグにはシャッター音がカウントダウンみたいに聞こえていた。

彼に会いに行く…カウントダウン。


人知れず緊張している胸を、落ち着かせるように小さく一呼吸する。

そして、

「さーて、メグは行きますかぁ♪」

いつもの明るい調子で言った。
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