ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「どこ行くの?」
不思議そうに聞いてきた、由紀ちん。
「戦場♪」と不敵な笑みを浮かべ答えると、今度は苺ちんが不思議そうな顔をした。
「苺ちんボタンだよぉ、ボ・タ・ン♪大和のボタン貰いにぃ♪」
「あっ!」
二人はやっと、意味を理解して頷いた。
恋する学生の卒業と言ったら、第2ボタン。
そんなの昔の話だと思うかもしれないけど、最後の思い出に好きな人の物が欲しい、その思いはいつの時代も変わらない。
だから、うちの学校はブレザーにも関わらず、カッコイイ男の子のボタンって、結構なくなっている。
「苺ちんも早く行かないとなくなるよぉ?」
学校一カッコイイ彼氏を持つ、苺ちんに冗談っぽく忠告して、
「じゃあ、行って来るぅ♪」
メグはいつもの笑顔を見せて、二人に背を向けた。
短パンが見えそうなくらい、短くしたスカートが、翻るのも構わず、足は自然に走り出す。
早くしないと、ボタンなくなっちゃう…。
焦る気持ちも大きいけど、
上手くいつもの自分を演じられるかな…。
躊躇う気持ちも大きくて、メグは女子トイレに寄り道をした。