ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

最後くらい…大和からメール、欲しかったなぁ…。

メグから毎日送るメール。
今日送ってないのは、ほんの少し期待していたから。

だけど、“期待”と同時に、いつも“諦め”の気持ちも抱いてる。

『どうせ来るわけないよ』
『好きになってくれるわけないよ』

積極的な態度とは裏腹な、消極的な気持ち。

純粋に『もしかしたら』って期待するよりも、始めから諦めている方が楽だから。


本当は…メールを送るのも、話し掛けるのも、いつも怖い。

今だって会いたい反面、会いたくない自分がいる。

だって、大和からメールが来ないってことは、メグに興味がないってことだから…。


でも、今日ばかりは逃げられない。

4月からは別々の大学生活。
デートに誘っても来てくれないし、きっと今日は、大和に会える最後の日。

メグはポケットに携帯を戻して、入れ換える様に、リップクリームを取り出した。

鏡に映す唇に、そっとリップクリームを重ねると、

潤ってぷっくらとした、唇が出来上がった。

「…よし!」

弱々しいメグはメグじゃない。
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