ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

メグは女子トイレを出て、すぐに大和の教室へと向かった。

“戦場”

由紀ちんにそう言った様に、意外とモテる大和は、きっと女の子に囲まれていると思った。

だから、すぐに見つかると思ったんだけど…

教室にも廊下にも、大和の姿はない。

いつもなら、これで諦めて帰る。
だけど、今日は諦められるはずがない。

外…?

探しに行こうと、メグは階段に差し掛かる廊下の角を曲がった…その時、

「あっ!」

ちょうど廊下を上がって来た人と、ぶつかりそうになった。

声を上げたのはそれだけではなくて、偶然にもその相手が、探している人だったから。

「大和…」

「あ、間っ!?」

大和はメグの顔を見るなり、少し顔を引き攣らせて、後退りする。

あまり好かれていないこと、自分でも分かってる。
大和が大人しい女の子を好きなのも、分かってる。

だけど…大人しい自分を見せて嫌われたら、本当に“嫌われた”って、ことになる。

それが怖いから…メグは大和に対して、精一杯明るく振る舞うんだ。
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