ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「大和、発見ーっ♪」
メグは満面の笑顔で、大和に抱き着いた。
こうやって触れるのは、何度目になるだろうか。
痩せ型だけど、大きな骨格をした体。
ほのかに香る、香水の甘い匂い。
ほんの少し震えてる腕に…気付かないで、と願う。
「ちょっ!離れろって!」
「やーだよっ♪」
「おいっ!!」
こんな事をしてしまうから、嫌われてしまうんだって分かってる。
それでも、“いつも”と変わらない自分と、大和の態度にホッとしていた。
「間っ!!」
力付くで、離そうとする大和。
メグは腕の力を強めて、意地悪する。
背後から、女子の「きゃっ」という、驚きの声が聞こえた。
「みんな見てるから、早く離せって!」
「んー…ボタンくれたら、離してあげなくもないよぉー?」
「ボタンでも何でも、くれてやるからっ!」
「本当ぉっ!?」
大和の言葉に、メグはパッと体を離した。
でも…
「なっ、ないじゃーんっ!!」
メグは大和のブレザーに掴みかかる様に、一度離した体をまた近付けた。