春うララ~時代劇編~
【ララー10】

殺される。





ララは懸命に逃げていた



春に見つからないように





「先~~~輩。

どこいったんですか?

南蛮に詳しい
川田さんから教えてもらった
『カレイ』の日ですよ~?」





このカレー。

有り得ない物が
材料として使われている





普通のルーに煮込むのは

薬草、ニンニク、鶏肉、

ピーマン、イナゴの佃煮

漬け物、無駄に白菜、

唐辛子、キュウリ

サンマ丸ごと一本。

…を入れやがる。





そんな
メチャクチャなもん
食えるか。





とにかく見つかる前に
逃げないと。





…ん?



隣の家の犬が

横になって寝ているのが
見えた。





……?





いや、違う…





あれは…





近くに皿が置いてあり、
その皿にはカレーが。





まさか…





よくよく近くで見ると

その犬は
寝ているのではなく、
泡吹いて
ぶっ倒れてる。





周りはゲロまみれ。





これは、
ララが見つからないから
春がちょっと犬に
与えた物だ。





一口でこの殺傷能力。





これはアカン。





「先輩~?
そこですか~?」





人の気配を感じた小春は
こちらへ来ようとした。





ビク!!





ララはその言葉に反応して
慌てて臭いゴミ箱の中に
身を隠す。





メチャクチャ汚い
ゴミ箱だが、

それでも迷わず入るのが

いかに怯えてるかが伺える。





「先輩~…?」





ザッザッザ…





近付く足音…





ララは怖くて
ガタガタ震えていた。





ど、毒殺される…






今日はこのまま
このゴミ箱に野宿でも
構わないと

ララは本気で思いました
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