春うララ~時代劇編~
【ララー12】


超高級宿屋
『ガマの湯』




大名や代官…

その他金のある者が
好んで泊まりに来る
名のある名店で、

皆が皆
ここの温泉目当てで
来店するのだ。




特に美を追求する
若いおなご達に大人気。




そんな『美人』しか
集まらない温泉に

今日も明るい声が
こだました。




「キャ~~
熱くて気持ちいい~!」



「アハハ、
水かけないでよ~!」



「あ、
お菊また胸でかくなった
んじゃない?

コイツ~!えい!」




そんな黄色い声が響く中
1人の女の子が
湯に浸かり風景を楽しむ。




「わあ凄い。

綺麗なとこね~」




しなやかな体を
ちゃぷりと
湯をかきあげて、

のんびりと浸かっていた




「あら?雪だるま?
カワイイ」




近くに
大きな雪だるまが
飾られているのが見える




昨日の大雪で作った
物だろう。




しかし…

実はこの雪だるま…




「ワオ…
ここは極楽だな。

もう死んでもいいねえ」




雪だるまの中には、
あのスケベの弥吉が
身を潜めて
女湯を覗いていた。




さすが
こんな覗き方を考える
スケベ心は

天下一品である。




「こいつぁ感服したね…

さすが美女湯と
呼ばれてるだけある…

おお!」




素晴らしい美女に
弥吉は興奮して見ていた




すると…




じゅわじゅわ…



自分から発する熱気で
雪が溶けてしまった。




それを気付かない程に
弥吉は食い入るように
眺めていた。




当然すぐにバレる。




「キャー!!男だわ!」




「あ、あれ
お尋ね者の弥吉よ!!」




やばい!見つかった!




「しまった!引き上げだ!

また来るぜぃ!」




しっかりと
また来る事を予告した

変態弥吉であった…
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