春うララ~時代劇編~
【ララー17】

「決めた。
アタシ花火職人になる」




唐突にララは
帰って来たばかりの
小春にそう言う。




「ハイ、
先輩いいですから
ちょっと来てください!」




小春は
ララの言葉を無視し、
手を引いた。




「なんなよ春。

ううサブ!!」




外はいつにも増して
冷えており、

ララは身を縮める。




「特売ですよ
特別販売!

今、
野菜や魚を
大量に仕入れた商人が、
大安売りをしてる
みたいなんです!

これを逃したらいけません!

荷物運び
手伝ってください!」




「え~荷物運びなら
筋肉あるホモ川にでも
頼みなさいよ~」




そう文句を言い
ぐずるものの、
無視してララを引っ張る




そして、
噂を聞きつけた
場所まで行くと、

本当に大安売りを
やっていた。




情報通のララでさえ
知らない話。




こーゆーのだけは
この子耳にするの
早いんだから。




小春は人集りから
そのチビっこさを利用し
ちょこまかと商品を
ゲットしていた。




ララはしばらく
ぼ~っと見ていると、
荷物両手に
スンスンと泣く小春が
こちらへ戻って来た。




「うう…
人混みに紛れて
誰かに足を触られました…」





痴漢か…




それでも
荷物を手放さない
コイツの根性もスゴい。




しかし、
春に痴漢何て
珍しい事をするやつも
いたもんだ。




「春~大丈夫よ
ソイツ痴漢じゃないわよ

きっと大根と間違えて
春の足を掴んだだけよ」




「ヒドい!!」




小春はワアっと泣いて、
走り去って行った。




もちろん家に向かって
走り去ったのだろう。




「作戦通りね。
荷物持たなくて楽だわ」




小春の特性を活かした、
ララならではの
荷物持ち回避法が
見事に成功した
瞬間であった
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