上司に恋しちゃいました

「お~、偶然だなぁ」


宮城の観光名所が紹介されている雑誌は書店に何冊も並んでいたのに、同じ雑誌を選んでいたことが嬉しかった。


同じ雑誌を読みながら、同じ気持ちを持ってページをめくっていたらいいなと思った。


あたしはすごく、楽しみにしていたから。


「宮城っていったら牛タンだろ? 昼飯、ここがいいんじゃないかと思うんだけど」


鬼の王子が指をさした店舗を見て、あたしは声をあげた。


「あ~! あたしもここがいいなと思って印つけてたんです!」


 あたしは三角に折ったページを開いて、赤ペンで丸をつけた牛タン定食を見せた。
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