上司に恋しちゃいました
牛タン特集で、同じページに数店舗牛タンの写真が載っているにもかかわらず、同じお店に目をつけていたことに、あたし達は目を合わせて、ぷっと笑い出した。


「好み一緒だな、俺ら」


笑いながら何気なく発せられたひと言が、とても嬉しかった。


返す言葉も見つからないほど。


鬼の王子はベッドに横になりながら、雑誌を楽しそうにめくっていた。


そんな横顔を見つめながら、さっき放たれた言葉の余韻に浸っていた。


「どした?」


鬼の王子が首を傾げる。


好みが一緒だなと言われたくらいで、泣きたくなるほど嬉しかっただなんて知ったら、呆れるだろうか。

< 122 / 341 >

この作品をシェア

pagetop