上司に恋しちゃいました
少し涙目になった顔を見られたくなくて、勢いよくベッドにダイブして鬼の王子の横に寝転がると、ベッドが揺れた。


「うおっ! 弾き飛ばされるかと思った」


「ちょっと揺れただけです!」


怒った顔のあたしに、鬼の王子は啄むような軽いキスを落とした。


おでこを寄せ合いながら、笑い合う。


それから少しふざけた冗談を言ったり、一緒に明日観光する場所をああだこうだ言い合ったりして。


狭いベッドの上で肩を寄せ合って、笑いながら雑誌のページを指さす。


鬼の王子と一緒にいる時間に、早く明日が来ればいいのにと思うのは、初めてだった。


こんなささいな時間さえも大切に感じる。

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