絶対読むな
熱さのせいか母の四肢は、ひっくり返されたゴキブリのように激しくもがいていた。





「お母さん、あたしの手料理だよ。おいしい?」





返事がない。




薄情な女だ。





母の両手があたしの皿を押し付ける方の手をつかんだ。



ごふっごふっと、汚らしい声が皿の下から漏れた。





ああ、そうか。





呼吸ができないんだ。





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