二藍蝶
クラこと、蔵田は元々は俺達
と同じ一中に通っていたが
自分の事を強いと息巻いてた
くせに、俺の一発に倒れた事
で弱い男のレッテルを貼られ
夏休みの後、三中に転校した。

ゲームセンターの外。

律儀に立ったまま、岸邊は
俺を待っていた。

そして、俺達はお互いに
容赦する事無く殴りあう。

自分の力の全てを出し切って
戦える相手に出会った喜びに
俺達の顔には笑みさえ浮かぶ。

勝敗は決まる事は無く、弦の
やめろの声で喧嘩は終わる。

「このままじゃ
 らちが明かない」

俺達は、その後も何度と
手を合わしたが、決着は
付くことは無く、今になる。

「これ、ちょうだい?」

ガムを手に持ち、小銭を置く。

「はい、お客さま
 おつり・・・」
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