二藍蝶
庵は、ご飯を食べる
箸を止める。

「カイリの事は
 放っておけばいい
 アイツも、ガキじゃない」

「放っておけないよ・・・
 
 カイリは、貴方みたいに
 強くない
 
 あの子、泣き虫で・・・
(極道)なんて似合わない」

不安な瞳の菫を見つめて
庵は告げる。

「すみれ
 これは、アイツの人生だ
 お前が口煩く言えば言う程
 アイツは、止められなくなる
 
 自分の思いを・・・」

「イオリ・・・?」

涙を流す、菫の頬に手を翳す。
 
「アイツが自分で、あの場所に
 いるべきではないと思う事が
 できない限り、どんなに奴を
 縛っても、アイツは、いづれ
 ヤクザになるさ」

「イオリ、どうしよう・・・」
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