二藍蝶
「すみれ、お前は
 見守るだけでいい」

大切な人が、また、あの
モノクロームの世界に
導かれていくのを黙って
見守る事しかできない。

岸邊は、浬を見つめて言う。

「だったら、話は早い
 どうだ?
 お前も会澤組に入らないか?
 高月組と会澤組は契りを
 交わし、抗争が起こる事は
 二度と無い、お前が会澤組に
 入る事は願っても無い事だ」

「キシベ、お前、正気か?」

岸邊は、深く頷く。

それを、岸邊の兄貴分は
願っている。

「なあ、ルイ?

 その、タカツキカイリ
 という男とお前
 ダチなのか?」

「いえっ、唯、奴ほどの
 強い男が、俺の知ってる中
 他にはいないかと・・・」

「そうか、そいつと今度
 会せてくれや」

「はい」
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