二藍蝶
「何 言ってんすか
 まだ、25じゃないっすか
  
 親父に、セキさんが
 大笑いしますよ」

「俺は、本気だぜ
 
 まあ、将来の話
 当分は無理だな
 
 今、入江組を守るのは
 俺達しかいない」

「そうですよ
 
 カオルさんが組に戻って
 来てくれて、ほっとした
 ところなのに

 ルイさんが
 いなくなるなんて
 寂しいっす・・・」

「しけた面、すんなよ」

塁の携帯電話が鳴り響く。

「もしもし、トキか?

 ああ、その話なら
 執行部の連中も了承済みだ
 近いうちに、場を持とう
 ああ、また連絡する
 
 えっ、何?
 煩くて聞こえない
 女?
 遠慮しとくわ」

通話を切る、塁。

「トキさん、何の用っすか?」

「クラブで女、侍らせてるから
 今すぐ来いってさ」

「ルイさん、行きましょうよ
 早く早く・・・」

「行かねえよ
 
 お前もいい加減にしろよ
 娘に嫌われっぞ」

藍の広告を見つめながら
塁は、ほっと安心した。

元気な藍の姿がそこにある

ずっと胸の奥に、隠し事を
秘めている、塁・・・

藍に申し訳ない気持ちで
いっぱい・・・
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