アイコトバ。 feat.とうふ白玉



屋敷の中に入ると、いきなり明るくなった。いかにも洋館といった感じだ。


屋敷の中はとても広く、天井には大きなシャンデリアがぶら下がっており、壁には絵画などが数えきれないほど飾られている。そして部屋もたくさんあった。


「わぁ、綺麗……」


正面の壁に掛けられている女性の絵画を見て瑞希が呟く。他の7人も洋館の絵画などに見とれているようだ。


広間の中央で黒川が歩みを止め、八人の方へ振り返る。


「皆様、長い間バスに揺られてさぞお腹が減っていることでしょう。少し早いですがディナーを用意しております。こちらへどうぞ」


黒川がそう言うと、広間の奥にある他の扉と比べて少し大きい扉がいきなり開く。


扉の奥には大きなテーブルがあり、その上には豪華な食事が並べられていた。


「それでは皆様、各々の席にお着きください」


黒川に促され、それぞれが席に座る。目の前にはいい香りを放つ豪華な料理が食べられるのを待ち望んでいるように綺麗に並んでいる。


「お父さん見てー。エビさんだよー!!」


目の前にある海老の料理をつついて遊びながら百合が言う。



< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop