一なる騎士

(11)定まらぬ未来

 セラスヴァティー姫は見ていた。
 幼い姫には見ていることしか出来なかった。

 己の父が自害し、母と兄弟が殺される様を。
 しかも、それを為した者は。

 リュイス。

 自分だけの騎士だと言ったリュイス。
 大好きなリュイス。

 なのに、なぜ?
 どうして? リュイス?
 どうして、リュイスが父様を、母様を殺すの。

 そんなの許せない。
 けど、それは、わたしの大好きなリュイス。
 優しかったリュイス。

 どうして?
 どうして?

 わからない、わからない。
 こんなこと、うそ。

 きっと、うそ。
 ほんとのことじゃない。

 だって、いや、こんなのはいや。
 そう、きっとあれはリュイスじゃない。


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