霊務3
「託された願い-7」





ハアハア……!









大男に頼まれるがまま、
懸命に走った里子は
先程の場所まで戻ってきた。










「……カー君…
田中さん…」









二人を捜しても、
人すら居る気配は
周りにない。









どうしよう…どうしよう…








目の前には、
大男が開けたトンネルが
口をポッカリして
待ち構えているが、

一人でこの先行くのも
心細い。










(弱音を吐いちゃダメだ!)







時間もあるワケではない。



自分に言い聞かせ、
真っ暗なトンネルの中に
入る覚悟を固めた。








ダッ…









蠢く闇のトンネルに、
意を決して
その身を消して行った…
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