ワンダー、フルカラー
「ね、根津さん…」
驚きのあまり一瞬固まってしまったけれど、床に落ちまいと体を使って密着させ、彼女の肩を掴んで戻そうとする。
「ん…」
彼女の口から声が漏れて、それが僕の首を掠めた。擽ったくて目を閉じて、息を吸った瞬間に彼女のシャンプーの香りだろうか…良い匂いがして、再び体が固まってしまった。
そして、柔らかい体。
根津さんの体がこんなに柔らかいだなんて知らなかった。そして、華奢で細いことも。良い匂いがすることも。10年近く一緒にいる筈なのにおかしな気分だ。
ソファーに再び座らせて、隣に座ると彼女の髪に手を伸ばしてみた。柔らかくてサラサラしていた。
再び顔を覗き込んで、顔に手を当ててみるとほんのりと温かくて…何故か胸が苦しくなる。
(何だろう?)
良く分からなかった。初めての現象だったから。
どうして肌に触れただけで胸が苦しくなる?彼女のこの顔に毒でも付いているのだろうか?そんな訳はない。じゃあどうして苦しくなる?寝顔を見ただけで?
「ただいまお父さんが帰ったぞー!」
「あ、」
疑問がって頭を抱えて考えている最中、根津さんのお父さんが大きな声を出しながらリビングへと現れた。
おじさん凄い…扉の音を立てずに家の中に入って来られたなんて。
「今日はそんなに飲めなかったぜ…」
「飲み会にでも行ってたのですか?」
「仕事の帰りになぁ…真夜子と爽助くんが心配でこれでも途中で帰って来たんだぞ?」
おじさんは僕と根津さんの前のソファーに腰を下ろして、楽な姿勢をとりながら寛ぐ。
僕の顔を見てから隣の根津さんを見て、何故かニヤリと笑うおじさんはちょっとだけ怖い。そして失礼を承知で思う。不気味だ。
「爽助くんさぁ…うちの真夜子のことどう想う?」
「え?」
突然出された質問に僕はおじさんの顔を凝視した。
どう想うってどういう意味だろうか?根津さんのことをどう想っているのかと言われても…強いて言うなら、
「まぁ俺的にはどうでも良いことなんだが、」
「え?」
真剣に答えようとしたら、おじさんは僕の言葉を遮って。どこか愛しげに彼女を見つめながら、
「真夜子的にはダメらしい。」
苦笑いを浮かべながら彼女の頭を数回撫でた。
…って、『真夜子的にはダメ』ってどういうことだろう?
驚きのあまり一瞬固まってしまったけれど、床に落ちまいと体を使って密着させ、彼女の肩を掴んで戻そうとする。
「ん…」
彼女の口から声が漏れて、それが僕の首を掠めた。擽ったくて目を閉じて、息を吸った瞬間に彼女のシャンプーの香りだろうか…良い匂いがして、再び体が固まってしまった。
そして、柔らかい体。
根津さんの体がこんなに柔らかいだなんて知らなかった。そして、華奢で細いことも。良い匂いがすることも。10年近く一緒にいる筈なのにおかしな気分だ。
ソファーに再び座らせて、隣に座ると彼女の髪に手を伸ばしてみた。柔らかくてサラサラしていた。
再び顔を覗き込んで、顔に手を当ててみるとほんのりと温かくて…何故か胸が苦しくなる。
(何だろう?)
良く分からなかった。初めての現象だったから。
どうして肌に触れただけで胸が苦しくなる?彼女のこの顔に毒でも付いているのだろうか?そんな訳はない。じゃあどうして苦しくなる?寝顔を見ただけで?
「ただいまお父さんが帰ったぞー!」
「あ、」
疑問がって頭を抱えて考えている最中、根津さんのお父さんが大きな声を出しながらリビングへと現れた。
おじさん凄い…扉の音を立てずに家の中に入って来られたなんて。
「今日はそんなに飲めなかったぜ…」
「飲み会にでも行ってたのですか?」
「仕事の帰りになぁ…真夜子と爽助くんが心配でこれでも途中で帰って来たんだぞ?」
おじさんは僕と根津さんの前のソファーに腰を下ろして、楽な姿勢をとりながら寛ぐ。
僕の顔を見てから隣の根津さんを見て、何故かニヤリと笑うおじさんはちょっとだけ怖い。そして失礼を承知で思う。不気味だ。
「爽助くんさぁ…うちの真夜子のことどう想う?」
「え?」
突然出された質問に僕はおじさんの顔を凝視した。
どう想うってどういう意味だろうか?根津さんのことをどう想っているのかと言われても…強いて言うなら、
「まぁ俺的にはどうでも良いことなんだが、」
「え?」
真剣に答えようとしたら、おじさんは僕の言葉を遮って。どこか愛しげに彼女を見つめながら、
「真夜子的にはダメらしい。」
苦笑いを浮かべながら彼女の頭を数回撫でた。
…って、『真夜子的にはダメ』ってどういうことだろう?