Faylay~しあわせの魔法
そして、真白な雪がどんどん真っ赤に染められていくのを見ながら、静かに言い放った。
「貴方たちの死は、もっとも効果的に息子さんに知らせてあげますよ。……楽しみにしていてください」
くるりと踵を返し、黒い飛行艇に向かって歩き出す。
歩きながら通信機を口元に当てた。
「私だ。目的は達成した。これより皇都に帰還する。それから……セルティアに魔族が解き放たれたと全世界に向けて発信しろ。……ああ、それでいい。それでヤツらが逃げ回ることはなくなる」
これで、フェイレイたちを追い詰める算段がついた。
セルティアか皇都に網を張っておけば、簡単に掴まる。
その後は──。
アレクセイは、手の中にある2つの指輪を、もう一度眺めた。
「優しさがなければ生きる資格はない、か。私もその通りだと思いますよ」
ザクザクと雪を踏みしめて歩くアレクセイの顔に、微笑が浮かぶ。
自嘲的な笑みだった。
「貴方たちの死は、もっとも効果的に息子さんに知らせてあげますよ。……楽しみにしていてください」
くるりと踵を返し、黒い飛行艇に向かって歩き出す。
歩きながら通信機を口元に当てた。
「私だ。目的は達成した。これより皇都に帰還する。それから……セルティアに魔族が解き放たれたと全世界に向けて発信しろ。……ああ、それでいい。それでヤツらが逃げ回ることはなくなる」
これで、フェイレイたちを追い詰める算段がついた。
セルティアか皇都に網を張っておけば、簡単に掴まる。
その後は──。
アレクセイは、手の中にある2つの指輪を、もう一度眺めた。
「優しさがなければ生きる資格はない、か。私もその通りだと思いますよ」
ザクザクと雪を踏みしめて歩くアレクセイの顔に、微笑が浮かぶ。
自嘲的な笑みだった。