アンガー・グラッチ・ヘイトレッド
この酔っぱらい。
ぶん!ぶん!と、なかなか良いパンチを放ってくる。
「ちっ!このおっさん、ジムにでも通ってんのか!?」
だけど俺だって負けてはいない。
パンチを避けながら、隙を伺い、ぐっ。と足に力を込めてから跳躍。酔っぱらいの頭上を楽々飛び越えて離れた位置に着地。
最近は力のコントロールの仕方も身に付いて来た。
とりあえず距離を離してみたものの、これじゃ何も状況は変わらない。
普通のバットなら殴り付けてやるところなんだけど、釘バットだから当たり所によっては致命傷になりかねない。
「普通のバットにしとけば良かったぜ…。」
格好を最優先にした結果がコレだ。
とりあえず…。
バットを捨ててボクサーばりに拳を構え、近接戦に作戦を変更。
「第二ラウンドは手加減無しだぜ?マッドボール…!」
数分前に遡る。
深夜の歩道を駆ける一人の女子高生。
手には竹刀。
彼女が走っている歩道には国道が沿っていて、昼間は多くの車が行き交っているが、この時間ともなると車はほとんど通らない。
だから彼女の軽快な足音と息づかいが聞こえるだけだ。
「一体どこに消えたわけ!?」
彼女の口調には棘があり、あまり機嫌が良く無いのが分かる。
せっかく見つけて追い詰めた獲物をあと少しの所で逃がしてしまったからだ。
必死に走る彼女を騒音に近い音を発しながらバイクが追い越していくと、彼女の苛立ちはますます増した。
走り去っていくバイクの運転者の背中にバットのような物がちらりと見えた気がした。
「こんな夜中にバット持ってどこに行く気よ!」
これは八つ当たり。
彼女自身も竹刀を片手に走り回っているのだが。
「よわっ…。」
ひりひりする拳を擦る。
地面に仰向けに倒れている酔っぱらい。
「あれ?おっかしいな…。」
いつもならマッドボールが出てきて、ソレを倒して狩り終了。なのだけれど、今日はソレが出てこない。
マッドボールが出てこなきゃただの障害事件になってしまう。
「おいおい。マッドボールはどうしたよ?」
人が走ってくる足音も聴こえてくるしで、焦った俺は男の頬をぺしぺし叩いてみる。
反応無し。
「参ったねこりゃ。」
ぶん!ぶん!と、なかなか良いパンチを放ってくる。
「ちっ!このおっさん、ジムにでも通ってんのか!?」
だけど俺だって負けてはいない。
パンチを避けながら、隙を伺い、ぐっ。と足に力を込めてから跳躍。酔っぱらいの頭上を楽々飛び越えて離れた位置に着地。
最近は力のコントロールの仕方も身に付いて来た。
とりあえず距離を離してみたものの、これじゃ何も状況は変わらない。
普通のバットなら殴り付けてやるところなんだけど、釘バットだから当たり所によっては致命傷になりかねない。
「普通のバットにしとけば良かったぜ…。」
格好を最優先にした結果がコレだ。
とりあえず…。
バットを捨ててボクサーばりに拳を構え、近接戦に作戦を変更。
「第二ラウンドは手加減無しだぜ?マッドボール…!」
数分前に遡る。
深夜の歩道を駆ける一人の女子高生。
手には竹刀。
彼女が走っている歩道には国道が沿っていて、昼間は多くの車が行き交っているが、この時間ともなると車はほとんど通らない。
だから彼女の軽快な足音と息づかいが聞こえるだけだ。
「一体どこに消えたわけ!?」
彼女の口調には棘があり、あまり機嫌が良く無いのが分かる。
せっかく見つけて追い詰めた獲物をあと少しの所で逃がしてしまったからだ。
必死に走る彼女を騒音に近い音を発しながらバイクが追い越していくと、彼女の苛立ちはますます増した。
走り去っていくバイクの運転者の背中にバットのような物がちらりと見えた気がした。
「こんな夜中にバット持ってどこに行く気よ!」
これは八つ当たり。
彼女自身も竹刀を片手に走り回っているのだが。
「よわっ…。」
ひりひりする拳を擦る。
地面に仰向けに倒れている酔っぱらい。
「あれ?おっかしいな…。」
いつもならマッドボールが出てきて、ソレを倒して狩り終了。なのだけれど、今日はソレが出てこない。
マッドボールが出てこなきゃただの障害事件になってしまう。
「おいおい。マッドボールはどうしたよ?」
人が走ってくる足音も聴こえてくるしで、焦った俺は男の頬をぺしぺし叩いてみる。
反応無し。
「参ったねこりゃ。」