引っ込み思案な恋心。-1st
少し後悔して、つい瀬川くんを呼んでしまったけど、その後の言葉を全く考えていなかった。
「ん?」
ヤバイ……。
瀬川くん、ちょっと困ってる…?
とりあえず、何か言わなきゃ!
「あのね、すっ、好きな人……」
あ〜〜、私、何言ってるんだろう?
つい、さっきの話題を口走ってしまって、ますます瀬川くんは『?』な顔をして私を見ていた。
でも…
言いたいけど、言えるわけない!!
「瀬川くんの好きな人……って、誰……?」
どうしていいのか、自分でも分からなくなってしまって、引っ込められなかった『好きな人』という言葉につなげて、瀬川くんの好きな人のことなんて聞いてしまった。
確かにずっと気にはなっていたけど、聞いた瞬間、後悔するに決まってるのに……。
「え?俺の好きなヤツ?」
「う、うん……」
でも、聞いてしまったからには、もう引き返せない。
瀬川くんは意外そうな顔をしたけど、すぐにうつむいて黙り込んだ。
…やっぱり、言えるわけないよね。
もし、この近くにその好きな人がいたりしたら、ますます言えないもん。
そんな瀬川くんを見て、急にまた後悔がおそってきて、私は謝ろうととっさに口を開いた。
「ご、ごめ……」
「俺の好きなヤツはな、」
でも、瀬川くんがうつむきながら口を開いたのと同時だった。
「え……?」
うそ……?
好きな人のこと、私に教えてくれるの…?