引っ込み思案な恋心。-1st
「あっ!!!」
もうすぐゴールという所で、また倉本くんの足元が狂いだし、そのまま倉本くんからドミノ倒しのように前にこけていった。
ななっぺは前から2番目に並んでいたから、もちろん見事に犠牲者になってしまった。
「うそ?コケちゃった…」
「立ち直れるか?アイツら。派手にコケちまったからなぁ」
クラスのみんなは、心配そうな表情でななっぺ達を見守った。
しかし、その間にビリだったチームがななっぺ達に追いつき、ゆっくり抜いて行った。
「あっ、うそ……。抜かれちゃったし…」
あゆがショックを受けたような声を出すと、瀬川くんが大声を上げた。
「とにかくもう一度立ち上がって、完走だけでも目指すんだ!リタイアしたら、点数も取れないぞ!!」
うちの体育祭は、個人競技でも団体競技でも、とにかく完走したら最低1点は入るようになっている。
けど、リタイアをしたら点数すら入らない。
プログラムも終盤になってくると、その1点を争うことになると思うから、完走することはとても大事なことなんだ。
「とにかく立てーー!ほら、お前らも応援だ!立て直せ、マサ!!」
少し静かになり始めたクラスのテントに、瀬川くんの大声が響いた。
その瀬川くんの声を聞いたクラスのみんなは、ハッとしてまた各々大声を出し始めた。
「そうだーー!立って!」
「ビリでも諦めたら終わりだぞ!」
「まだ行ける!頑張れーー!」