引っ込み思案な恋心。-1st
……もしかして、さっきの障害物競争の時も、みんな私にこうやって声援を送ってくれてたのかな?
あの時、瀬川くんの声しか聞こえなかった。
他の視線は恐怖にしか感じなくて…。
けど、こんなにあったかい人達が、うちのクラスにたくさんいたんだね。
…それを上手くまとめている瀬川くんは、やっぱりすごいと思った。
やっとななっぺ達がゴールしたのは、4位のチームがゴールしてから1分と少し後だった。
時間はかかったけど、ちゃんとゴールしたのを見届けたクラスの人達は、周りの人達と手を取り合って喜んだ。
「良かったぁ。ちゃんとななっぺ達、ゴールできたね!」
「うん!ホントに良かった!」
そして、私の隣で大声を張り上げていた瀬川くんが私とあゆの前に立った。
「応援の効果だな!よっしゃー!」
そう言って、瀬川くんが両手を挙げた。
いいタイミングで、あゆが瀬川くんとパチンと両手を合わせた。
そして、その瀬川くんの両手は私の前にも……。
「杉田も!ほら」
私も、あゆと同じように瀬川くんの手に自分の手を重ねればいい。
けど……、ドキドキしてる。
こんなあからさまに瀬川くんの手に触れたことなんてなかったから。
「杉田!」
「うん……」
でもこのままためらっていたら、瀬川くんにもあゆにも変に思われる。
私はそっと両手を挙げて、それをパチンと音を立てながら瀬川くんの両手に合わせた。
私よりも少し大きくて、ごつい両手。
だけど、優しい温かさを感じた。
…この感触、絶対忘れたくない。
ますます私は、瀬川くんのことを好きになりそうだった。
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