引っ込み思案な恋心。-1st





ななっぺだけでなく、私とあゆもあかねちゃんを見上げた。





あかねちゃんは嬉しそうにバザーの券を2枚、私達に見せてきた。





「これ、ジュース券なんだけど、間違えて多めに頼んじゃったんだよねー。良かったらこれ使って?そして私と一緒にバザー行こーよ」



「ちょっとあかねちゃん、実は一緒にバザーに行って欲しいのが目的でしょ?」





あゆがあかねちゃんにそう聞くと、あかねちゃんは『バレたか』という感じで小さく舌を出した。





「まぁいーじゃん。だって、あゆも柚もちゃんと飲み物持ってきてるとは思わなかったんだもん。これならお茶じゃなくてもジュースでも何でもあるよ〜」





あかねちゃんがジュース券を2枚ヒラヒラさせながらななっぺを誘っていると、ななっぺも勢いよく立ち上がった。





「よし!行こうか。あかねちゃんがさみしがってるしねぇ〜」





ななっぺの言葉に、私とあゆは大笑い。





「ちょっと〜ぉ、その通りだけど、何か私、寂しがり屋みたいになってるじゃん!?」



「はははっ!しかも『その通り』って認めてるし!!」





更に大ウケしているあゆと、手を振る私に見送られながら、ななっぺとあかねちゃんは教室を出て行った。










「じゃあ、うちらはさっさとご飯食べちゃおうよ、柚」





まだ笑いの余韻が残っているあゆに促されて、私は自分のお箸を取り出した。





あゆと二人になって、私は少し気になっていたことがあったのを思い出した。








さっき、むかで競争の時、あゆが3年生の先輩に呼び出されていたこと。





あの時のあゆの、一瞬固まった笑顔が忘れられなかった。








私は一口ご飯を食べた後、あゆに話し掛けた。





「ねえ、あゆ。さっき呼び出されてた先輩、大丈夫だった?」



「え?…ああ、笠原先輩?」





< 152 / 243 >

この作品をシェア

pagetop