引っ込み思案な恋心。-1st
けど、あゆは様子を全く変えることなく、お弁当を食べながら話してくれた。
「う〜〜ん、まあ大丈夫っちゃあ大丈夫だけど……」
「うん」
「笠原先輩、知ってるよね?前の生徒会長の…」
「知ってるよ。よく体育館で話してた人でしょ?」
「そう。実はね、もう引退したけど、男子バスケ部の部長だったんだ」
「え?そうなの?全然知らなかった…。でも確かに背は高いよね」
「うん。私も女子バスケ部でしょ?色々教えてもらってたんだ」
「へぇ……」
「それで……」
そこまで言うと、急にあゆの動きが止まった。
「…どうしたの?あゆ」
「う、うん……。ごめんね」
私も箸を置いてあゆの肩に触れると、少しだけだったけど身体が震えていた。
…やっぱり、何か起こってたんだ。
あゆ、まさかいじめられているとか……!?
あゆがいじめられるような性格には見えないけど、相手は3年生だし、あり得ないわけではない。
いつも私に対して明るく接してくれるあゆの弱い姿を初めて見たような気がした。
「あのさ……私、実は……」
あゆがゆっくりとうつむいた。
私はただ、あゆの悲しそうな横顔を見つめることしかできなかった。