引っ込み思案な恋心。-1st
「………笠原先輩のこと、好きなんだ」
「……えっ!?」
あれ?
先輩にいじめられているか、嫌がらせされてるのかと思ってたのに……
先輩が、好き!?
だって、確か好きな人はいないって言ってなかったっけ???
いつの間にか、驚いた私の顔の前にあゆの切なそうな顔があった。
「あゆ、好きな人いたんだ……?」
「黙っててごめん。夏休みの時に言える機会があったけど、瀬川と倉本もいたし、絶対からかわれると思って……」
「そっか、男子がいたら言いにくいよね…」
「それで今日の朝、笠原先輩の靴箱の所に手紙を置いたんだ」
「え?告白したってこと?」
あゆは少し照れくさそうに、コクンと首を縦に振った。
「でも『返事を下さい』とは書く勇気がなくて、とりあえず自分の気持ちを伝えただけだったんだけど、そしたらまさか、先輩の方から来てくれるとは思わなくて……」
そうか。
あの時、笠原先輩はあゆに、返事を伝えに来たんだ……。
それで、あゆは緊張した顔になっていたのか。
「だけど、振られちゃった」
「え?」
ふ、、振られた……!?