Promise at Christmas
だけど、昔からこのツリーを見れば機嫌が良くなるはずの未来の表情は、未だ固いまま。


「未来?」

「遥ちゃん、あたし…」

「ん?何?」


俺、未来の顔を覗き込むようにして見つめた。


その時気付いた。

肩を震わせ、瞳を歪ませ悲しみに揺れている彼女に。



「未来、無理して話さなくていいから。結果がどうあれ何でも挑戦したっていう事実が大事なんだよ」

無理して話そうとする未来の言葉を阻止する。


最後に見る君の顔が泣き顔だなんて辛すぎるから。

やっぱり最後は笑ってて欲しい。



「失恋はチャンスとも言うよ?80歳になっても未来が1人なら俺が貰ってやるから」

笑いを誘ったつもりだった。


「その前にいい人見つけてるよ」と未来が俺を軽く叩きながら笑う。

そんな図を想像していた。


ところが泣きじゃくりながら俺に抱きついて彼女はこう言ったのだった。

「ばかあ~。行っちゃ嫌だよお。80歳まで待つなんて嫌あ」


声を上げて泣きすがり、未来は抱きつく腕の力を更に強める。

何がなんだか分からない状態で、されるがままの俺。



記憶の糸をたぐる。

今日、未来は男と会っていて、多分その後に俺の所に来て…
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