W☆
片付けはすぐに済んだ。

それは思った以上に早くて、仕事の後の充実感なんてほとんど感じさせないほどだった。

それは、ママも私も口には出さないけど、少なからず共有している気持ち。
言葉にならないため息が、嫌でもそれを伝えていた。


私は何となく居づらくなって、そのまま帰り支度を始めた。


その時。

ママがタイミングを見計らったかのように、口を開いた。


「ナナミちゃん、ちょっとだけ…いいかしら?」
< 3 / 19 >

この作品をシェア

pagetop