蒲公英
たくさんの声援と花吹雪に囲まれて、腕を組んだ僕らは教会をでた。
「おめでとう」
「幸せになってね」
一歩進むごとにかけられる祝福の言葉。
だけど…。
「湧己…」
僕の仲間はそれ以上言葉を見つけることができなかったようで、ぎこちない笑みを浮かべた。
「それじゃあ、いきます」
端まで歩いてきた僕たち。
河南子は微笑むと、後ろを向いて思いっきりブーケを投げた。
わっとみんなが息を呑む。
ブーケは…、なんとあかりの手中に飛び込んだ。
「うそ…?」
あかりは茫然と大樹を見る。