蒲公英

たくさんの声援と花吹雪に囲まれて、腕を組んだ僕らは教会をでた。




「おめでとう」

「幸せになってね」




一歩進むごとにかけられる祝福の言葉。

だけど…。




「湧己…」




僕の仲間はそれ以上言葉を見つけることができなかったようで、ぎこちない笑みを浮かべた。




「それじゃあ、いきます」




端まで歩いてきた僕たち。

河南子は微笑むと、後ろを向いて思いっきりブーケを投げた。

わっとみんなが息を呑む。






ブーケは…、なんとあかりの手中に飛び込んだ。






「うそ…?」






あかりは茫然と大樹を見る。
< 94 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop