蒲公英
結婚して5年。
ついに未来との子供を授かったらしい。
僕らはもちろん、未来ですら今の今まで知らなかったようだ。
言えよ!と喚きながらパニックに陥っている。
「これ、もらっていい?」
僕は河南子の髪飾りの花を一本抜き、春日に差しだした。
「おめでとう」
春日が笑う。
こんなところで報告してしまうのも彼女らしい。
もう誰に向けられているのかわからない拍手の中、僕と河南子は次の会場へ移動するために車へと乗り込んだ。
ふたりのためだけに用意された真っ白なベンツだ。
ついに未来との子供を授かったらしい。
僕らはもちろん、未来ですら今の今まで知らなかったようだ。
言えよ!と喚きながらパニックに陥っている。
「これ、もらっていい?」
僕は河南子の髪飾りの花を一本抜き、春日に差しだした。
「おめでとう」
春日が笑う。
こんなところで報告してしまうのも彼女らしい。
もう誰に向けられているのかわからない拍手の中、僕と河南子は次の会場へ移動するために車へと乗り込んだ。
ふたりのためだけに用意された真っ白なベンツだ。