空き瓶ロマンス
 


見ると、丁度舞台の中央くらいの位置から、

白い猫が警戒するようにこちらを見つめていた。

「……ヒヤーァ」
 
その脚の一箇所が、変に折れ曲がっていた。

痛々しく、巻かれた包帯に血が滲んでいる。

しかしその包帯は、ぐずぐずに解けかかっていた。

(きっと、舐めちゃったんだな……。

それか反対の脚でいじったか)



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