空き瓶ロマンス
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母の葬儀を終えて数日経って、やっと落ち着いた頃、私は信也さんと連絡を取った。
彼の携帯電話が水没した話は聞いたが、あれからすぐに信也さんは携帯電話を買い替えたらしかった。
……費用は、加害者持ちで。
私は、忌引きを理由に、学校をしばらく休んでいた。
亡くなったのが親の場合、状況次第で最大で五日まで休んでいいと生徒手帳に書いてあった。
担任に、亡くなったのが一緒に住んでいなかった母親であることを告げると、事情を察してくれたらしく、
私が学校を休む事に対してあまり詮索してこなかった。
大学生の兄も同様だったらしく、優しい学務課の職員さん達が頑張ってくれたとかで、思ったよりは簡単に手続きは済んだらしかった。
母は、私達が訪ねた数日後に、息を引き取った。