空き瓶ロマンス
「無いですよ、多分。
……僕、前に倫子の家に行った時に、内緒で探したけど、
あの子の部屋の中にあるのは、僕と同じように恐竜図鑑やら考古学やら、時代小説やら伝記やらの歴史オンリー……。
……唯一、ベッドの下から怪しげなDVDを発見したけど、
こっそり再生してみたら『ローマの休日』と『マイ・フェア・レディ』だったから……」
オードリー・ヘップバーン……。
「それで、その後すっごく凹みました……
別に、何か盗んだわけでもないのに……何だろう、この罪悪感!」
みちるは、ばたりとテーブルに伏せた。
頭をぶつけたらしく、ごちん! と凄い音がした。
一方、信也はすごく脱力していた。
変に、緊張していたようだ。情けない。
しかし、みちるはすっと顔を上げ、
「あ、ちなみに修さんのベッドの下は、『年頃の男の子』って感じでした」
「そこまで見たのか!」
「内緒にして下さいね」
「内緒も何も、誰にも言うか、こんな話!」
「ひゃはははは……」
こうして、夜は更けていった。