空き瓶ロマンス
朝になると、みちるは何かがふっ切れていた。
目を覚ますと、どうやら昨夜はテーブルに突っ伏したまま眠っていたらしく、両腕が痺れていた。
「……ぅ、痛……」
みちるは手をプルプルと振っていると、肩に掛けられた布団に気付いた。
冬用の、ふかふかの布団だった。
信也が掛けてくれたらしい。
一方、同じように雑魚寝をしていた信也は、見るからに薄い毛布一枚に包まっていた。
譲ってくれたのだ。
きちんとした布団を、無理矢理転がり込んできた生徒である自分に……。
みちるはここで初めて、信也に対し、とても申し訳ない気持ちになった。
同時に、自分はなんて勝手だったのだろう、と後悔する。
壁に掛けられた時計を見ると、時間は六時になろうかという頃だった。
まだ外は薄暗いが、そろそろ大人しく家に帰ろうと思った。