空き瓶ロマンス



冬の朝は、暗い。
 

まだ、夜と言っていいくらいに。
 

何せ、薄っすらと星が輝いている。


下手をしたら、月だって出ているのではないかと思ってしまう。
 

しかし、そんな事をあまり考える暇もなく、家に着いてしまった。


(ああ、嫌だな……)
 

くしゃみが出た。
 

鼻をすすりながら擦ると、鼻がとても冷たくなっている事に気付いた。


もしかしたら、赤くなっているかもしれない。


みちるは肌が白いので、そういった色の変化は如実に表れてしまう。


(泣きべそかいてるって勘違いされたら、どうしよう)
 

しかし、ここまで来たら逃げられない。
 

思い切ってドアを開けると――覚悟していた通り、上がり框のところに、宗太はいた。


ダウンジャケットを着込み、毛布を体に巻き付け、後ろからヒーターを当てて、


あぐらをかいたままこくり、こくりと眠っていた。


おそらく、一晩中そうしていたものと思われる。


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