夢の彼方
子供たちが寝静まったころ。


1階のリビングでテレビをぼんやり見ていると―――


“ブ―――ッ”


というブザーの音が玄関から聞こえてきた。


やって来たのはレジーだった。


リビングへ通し、コーヒーを入れる。


「―――返事を、聞かせてくれる?」


レジーの言葉に、わたしは頷いた。


「わたしも―――レジーが好きよ」


「―――本当に?」


「うん。でも―――」


「でも?」


「わたし―――夫が亡くなってから今まで子供たちに支えられて生きてきたの。子供たちがいなかったら、きっと今のわたしはいない。だから―――子供たちにもちゃんと認めてもらいたいと思ってる」


< 112 / 149 >

この作品をシェア

pagetop